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介護車両 送迎運転手

送迎運転手(送迎ドライバー) えっちゃんのブログ
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朝夕の愛犬の散歩中にも様々なデイサービスやデイケアの送迎車両をよく見かけます。

私の在職中、デイサービスの送迎車である介護車両が横転するという事故がありました。
優先道路を走行中に、一旦停止無視の車が側面に衝突してきました。
介護車両には運転手と利用者3名が同乗しており、1名は車いすのまま乗車していました。
幸い、運転手も高齢の同乗者も打撲だけで済みましたが、一つ間違えば大事故になっていました。

介護車両の横転事故

介護車両が事故を起こしてしまった場合、事故時の相手方車両や歩行者だけではなく、乗車している利用者(同乗者)に対しても責任が発生する場合があります。介護車両の利用者は高齢者でかつ身体を上手く動かせない方が多いため、事故発生時に自分で受け身を取るなどの対応ができない等、より大怪我をする可能性が高いのです。

送迎者の交通事故対応マニュアルはこちら

送迎者の交通事故対応マニュアル テンプレート
利用者様を車で送迎する機会は多々あります。送迎ドライバーのみならず介護職員や看護師が利用者様を車に乗せて移動する機会も多いかと思います。どの職員が車を運転しても事故が発生した際に統一した対応が必要となります。これはそのマニュアルの無料テンプレートです。

全国的にも、車内で転倒したり、運転手は無事なのに車いすの利用者だけが死亡するといった痛ましい事故も発生しています。

一昨年6月、佐賀市でデイサービス施設の送迎車が水路に転落し、高齢者3人が死亡した事故で、警察は、運転中に注意を怠ったことが事故につながったとして、送迎車を運転していた20代の元施設長が、過失運転致死傷の疑いで書類送検された事故がありました。
また、7月には、千葉県木更津市内で迎えに行った利用者を、デイサービスに到着後送迎車から降ろし忘れ、夕方まで車内に放置し熱中症で死亡させるという事故が起きています。

送迎中に重大な事故を起こしてしまうと、費用面だけでなく、行政処分やドライバー自身の精神的な負担など、介護事業者にとって良いことは一つもありません。しかし、実は介護事業者、送迎車両ならではの課題も存在しています。

そもそも、介護車両は車いすののままで乗車が可能であったり、通常の自動車の扱いとは異なる操作や運転が必要となります。
しかしながら介護車両での送迎に特化した講習はとても少なく、受講の義務もありません。
そのため、正しい知識のないまま自己流での送迎が日常的となり、身体の不自由な利用者を送迎するのに適していない運転となっている可能性もあるのです。

送迎車両事故から間もなく、地域住民と名乗る方から電話があり、デイサービスの送迎車両について、苦情を受けたことがありました。
前回の事故のこともあって、安全運転管理に関する内規を全職員に周知したばかりの出来事でした。
苦情の内容は、下記の2点。
①デイサービス送迎車の運転が荒いので改めて欲しい。
②スピードが速く、信号を無視した。

現状把握を行うために、担当者(運転手)からの聞き取り調査を行うと、全ての利用者を送り届けて、事業所へと帰る時であり、利用者が同乗しておらず、法定速度よりもスピードは出ていたのかもしれない。
信号のある交差点では、周囲の状況から、通過したほうが良い場合と、停止したほうが良い場合とある。今回は通過したほうが良いと判断した。
とのことであった。
説明を聞けば、注意喚起すれば済むことのように思われますが、送迎中の事故が全国的に多くなっており、5日間、送迎車両に添乗することにしました。

送迎の質

久しぶりに送迎車両に同乗してみると、様々な所に危険が潜んでいましたが、送迎に携わる職員の苦労や心遣いに気づかされました。
走行状況は、交差点での停止、カーブ前の減速時等に個人差はあるものの良好でした。
介助者は、車両内の空調にも気を配り、体調の観察を行い、利用者への声掛けを行っていました。
リクライニング車いす利用者は、ベッドtoベッドで対応しなくてはならず、運転手と添乗員が協力して行っていました。
団地内等、駐車違反車や下校児童や道路内に遊んでいる子供もあり、想像以上に危険が潜んでいました。

車椅子のまま乗車し、走行する際の利用者の安全確認が徹底されていないことがありました。(個人差がありますが・・・)
◎利用者の良支位の確認     
◎利用者の手足の安全確認  
◎利用者へ援助前の声かけ(援助する内容説明と同意の確認)

デイサービスやデイケアなどの通所介護では、利用者様の送迎も重要な仕事のひとつです。
私の勤務していた法人でも、デイサービスやショートを利用する方の送迎は、朝と夕方だけの方を募集していました。

しかし運転さえできればいいというような安易な考えで業務を行うと、転倒事故や交通事故、近隣住民からの苦情といったトラブルにつながることもあります。
「体の不自由な人を安全に乗車・降車してもらう」「福祉車両の装置操作を正しく使い、安全を確保する」「マナーを守り、近隣に迷惑をかけない」という高い意識が必要だと思います。

運転手の殆どは、介護の資格が必要ないため、法人での教育が必要になりますが、定年退職したバスの運転手の方を採用することで、メリットも多くありました。

送迎ドライバー

送迎車両ごとに車両管理者を設け、車両管理(オイル交換、洗車、タイヤ管理・・・等)を行ってもらうことで、常に安全な車両を運行できます。
バスの運転手であった方が、朝早く出勤し、利用者様を乗せる車だから・・・と言って、車のボディを磨きあげ、車内を清掃している姿に感動を覚えました。
お客様に乗って頂くという姿勢は、長年、観光バスの運転手を行ってきたからでしょうか・・・。

介護の送迎で何よりも大切なことは、利用者様を安全に目的地まで送り届けること。
移乗やシートベルトを掛けるのに手間取ると、つい安全確認がおろそかになってしまったり、スピードを出したくなることがあるかもしれません。
しかし、介護の送迎車に乗っているのは要介護の高齢者ばかりです。
体に痛みがあったり、骨や皮膚がもろくなっている方々にとって、急加速、急ブレーキ、急ハンドルは体に大きな負担がかかります。
健康な人なら何でもないようなことが怪我や痛みにつながる可能性があることを念頭に、常に安全第一で運転することが求められます。

高齢者の送迎は、神経を使う責任の重い仕事ではありますが、思いやりある運転はきっと乗っている人に伝わるもの。
慣れてくれば、利用者様やそのご家族からもらう感謝の言葉や笑顔に、大きな喜びとやりがいを感じることができると思います。
高齢者の送迎を行っておられる皆様に感謝申し上げます。

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