特別養護老人ホームで働く介護職員や看護職員の勤務時間が開設当初から変わってないところが多いのではないでしょうか・・・。
早番、日勤、遅番、夜勤の勤務で働く施設が多いかと思います。
私の場合で言うと・・・
独身の看護師時代は、総合病院の病棟で三交代勤務をしていました。
日勤(8:00~17:00 休憩1時間含む)
準夜(16:00~1:00 休憩1時間含む)
深夜(00:00~9:00 休憩1時間含む)
独身だから、準夜勤務も深夜勤務も苦ではない感じでしたが、今考えると、深夜に若い女性が移動するのはちょっと怖い気がしますね・・・。
結婚、出産し、産休明けで職場復帰すると、二交代制の病棟へ異動になっていました。
日勤(9:00~18:00 休憩1時間含む)
夜勤(17:00~9:00 仮眠2時間含む)
病院内に託児所があり、子供と一緒に出勤し、子供と一緒に退勤する生活でした。
夜勤も子供と一緒に出勤です。常に保育士さんが常駐していて安心して勤務出来ました。
勤務時間以外は常に子供と一緒に居られる。自分の時間が欲しい人には大変かと思いますが私は好きでした。
夜勤明けでそのまま公園でおもいっきり遊ばせて、一緒に入浴、その後、子供と一緒に爆睡してました。
社会福祉法人へ転職
デイサービスセンターで看護師兼主任ケアワーカーとして勤務することになりました。
日勤(8:30~17:30 休憩1時間含む)
勤務内容としては、1時間は看護師、7時間はケアワーカーって感じの勤務をしていました。
デイサービスでは、看護師ではないと出来ない仕事はそんなに多くない。いざという時に看護師という専門性を発揮すれば良いかと思ってました。
送迎も入浴介助も排泄介助も食事介助も・・・すべて一緒にこなします。だって・・・私は看護師兼主任ケアワーカー!
一年後、同じ社会福祉法人内の在宅支援センターへ異動し、看護師として勤務しました。
同僚に社会福祉士がおり、二人で時間差勤務することにしました。
日勤(8:00~17:00 休憩1時間含む)
日勤(9:00~18:00 休憩1時間含む)
時間差を設けることで、利用者の電話相談のニーズに応えられ、休憩もずらすことで空白時間がないことも良かったと思います。
支援センターへの異動は、社会福祉を学ぶ良い機会となりました。
また、同僚の社会福祉士に刺激され、社会福祉士の資格取得を目指します。
一年後、同じ社会福祉法人内の特別養護老人ホームで看護師兼主任ケアワーカーとして勤務。
デイサービスと違って重度な利用者が多い特別養護老人ホームでの改革は、デイサービスのように簡単ではありませんでした。
開設当初の基本の勤務体系は
早番(7:00~16:00 休憩1時間含む)
日勤(9:00~18:00 休憩1時間含む)
遅番(11:00~20:00 休憩1時間含む)
夜勤(17:00~10:00 仮眠2時間含む)
となっていました。
利用者を把握し、職員を理解するため、自ら全ての勤務を体験してみました。
夜勤明けの朝の忙しいこと・・・半端なく忙しい。
排泄介助、トイレ誘導、着替えの介助、移動介助、食事介助・・・事故が発生してもおかしくない忙しさです。
早番が出勤してくれてホッとする気持ちが良く分かります。
未熟な夜勤者だと介助に時間がかかり、おむつ交換など前倒しで行い、利用者を4時には起こして回っていることもわかったのです。
様々な問題点を洗い出し、利用者の日課表と職員の勤務表を照らし合わせてみました。
入浴日、シーツ交換日などの週間予定によって職員の必要人数も必要な時間帯も異なることが分かりました。
主要職員を集めて直接処遇職員(看護師・介護職員)の勤務時間について話し合いました。
話し合った結果が、上記のざっくりとした4つの勤務時間帯区分ではなく、その日のスケジュール(入浴介助等)や新人をベテランがフォローできる形でのシフト等、下記の様に細かく区分分けし、柔軟に対応できる勤務体系をとりました。
区 分 | 始業時間 | 終業時間 | 休憩時間 | |
---|---|---|---|---|
早番 | 1 | 6:30 | 15:30 | 10:30~11:30 |
2 | 6:45 | 15:45 | 10:45~11:45 | |
3 | 7:00 | 16:00 | 11:00~12:00 | |
4 | 7:30 | 16:30 | 11:30~12:30 | |
日勤 | 5 | 8:00 | 17:00 | 12:00~13:00 |
6 | 8:15 | 17:15 | 12:15~13:15 | |
7 | 8:30 | 17:30 | 12:30~13:30 | |
8 | 9:00 | 18:00 | 13:00~14:00 | |
9 | 9:30 | 18:30 | 13:30~14:30 | |
10 | 10:00 | 19:00 | 14:00~15:00 | |
遅番 | 11 | 10:30 | 19:30 | 14:30~15:30 |
12 | 11:00 | 20:00 | 15:00~16:00 | |
13 | 11:30 | 20:30 | 15:30~16:30 | |
14 | 12:00 | 21:00 | 16:00~17:00 | |
夜勤 | 15 | 16:30 | 9:30 | 00:30~01:30 |
16 | 17:00 | 10:00 | 01:00~02:00 |
一日の拘束時間が9時間として、それぞれに1時間の休憩時間を設ければ良いのです。
職員の勤務時間の変更は、理事会に諮られ、就業規則(職員の勤務時間)が変更されたのです。
利用者のニーズに沿った勤務時間、職員の教育を考えた勤務時間、施設内事故防止を考えた勤務時間・・・様々な考え方があるかと思います。
勤務時間は、現場を仕切る職員に考えさせるのが一番ではないでしょうか・・・。
経験年数の少ない新人介護職員は、バタバタする朝をどう乗り越えるかを考えた時、利用者の安楽よりも、業務を優先してしまうのです。
朝のおむつ交換を○時までに終えて、〇時までには食堂へ誘導しなければならないと焦り、利用者の睡眠を妨害してまでも前倒しで利用者を起こさざるを得なくなるのでないでしょうか?
そういったときはベテラン職員を早めに出勤させるシフトを組み、フォローさせる方法もあるかと思います。
基本となるシフトを柔軟に変更し、職員が働きやすい職場環境を作ることが、結果として施設で暮らす高齢者が安心で安楽な生活が出来ることにつながるのではないでしょうか。