事故・ひやり発生原因傾向分析表は、部署で起きた事故やヒヤリ・ハットを並べ、発生場所や時間帯、出来事の種類に偏りがないかを見るための書式です。個別の報告書から共通項目を取り出し、施設内の振り返りや手順の見直しに使います。
月ごとに部署から集める運用を想定した見本ですが、集計期間や確認の頻度は施設で決めます。この表は初動対応や個別の事故報告書に代わるものではありません。安全確保や必要な連絡を優先し、落ち着いてから記録を整理してください。
書式の各欄に記入すること
| 見本の欄 | 記入・確認のポイント |
|---|---|
| 月・部署 | 対象期間と部署名を統一します。発生日で集計するか、報告日で集計するかも決めます。 |
| 利用者氏名 | 個別報告書を参照できる情報を残します。広く共有する分析資料では番号に置き換えるなど、必要以上に個人情報を広げない方法を検討します。 |
| 事故・ひやり | 施設内で決めた区分で記録します。判断が分かれた事例は責任者に確認し、分類を揃えます。 |
| 発生日時・場所 | 分かる範囲を正確に書きます。時刻が不明なら推測で埋めず、不明であることを備考に残します。 |
| 事故(原因)の種類 | 見本には転倒・転落・誤嚥・物損・その他があります。これらは主に「起きた出来事」の分類であり、そのまま原因を示すものではありません。 |
| 備考・記載者及び関係者 | 個別報告書の番号、確認できた状況、未確認事項、記載者を残します。確認印欄の役職名も自施設の体制に合わせます。 |
「出来事の種類」と「原因」を分ける
「転倒が3件あった」という集計だけでは、どこを改善するかは決まりません。発生時の動作、周囲の環境、支援の手順、情報共有などを個別報告書で確認します。「職員の不注意」とだけ記載して終えず、確認できた事実と原因の仮説を分けて扱います。
たとえば、通路に物が置かれていた事実があっても、それだけで転倒の原因と断定はできません。誰がいつ何を確認したかを追い、改善できる環境や手順を検討します。身体状態や医療上の判断が関わる場合は、担当する専門職と確認してください。
集計から改善までの進め方
- 対象期間の個別報告書を集め、同じ事例の重複や記入漏れがないか確認します。
- 事故とヒヤリ・ハット、場所、時間帯、出来事の種類ごとに件数を整理します。一件に複数分類を付ける場合は、その集計ルールも残します。
- 繰り返し起きている場面を選び、個別報告書に戻って状況を確かめます。
- 改善する手順、担当者、実施日、確認する項目を決めます。
- 次の振り返りで、対策を実行できたか、同じ状況が続いていないかを確認します。
振り返りの記入例
以下は架空の分析例です。実際の事故や利用者の記録ではありません。
| 段階 | 整理例 |
|---|---|
| 集計で気付いたこと | 今月、廊下でのヒヤリ・ハットが3件報告された。いずれも夕方の移動時だった。 |
| 追加で確認すること | 同じ場所か、通行時の周囲の状況、支援手順、本人の動作がそれぞれの報告書で分かるか確認する。 |
| 改善案 | 確認の結果、物品の仮置き場所が統一されていなかったため、部署で置き場所と点検担当を決める。 |
| 次回の確認 | 置き場所が守られているか、通行に支障がないか、同様の報告が続いていないかを確認する。件数だけで効果を断定しない。 |
件数を比べるときの注意
件数の増減には、利用者数や稼働日数、報告のしやすさ、分類方法の変更も影響します。ヒヤリ・ハットの報告が増えたことを直ちに悪化とみなすと、報告しにくい雰囲気につながります。比較する期間と対象を揃え、数値の背景を説明できるようにします。
分析結果を共有する際は、個人への非難ではなく、次に変える環境や手順を具体化します。元の報告書は施設の管理方法に従って保管し、一覧と対応できる状態にします。
書式見本とファイルの取得

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2026年10月20日:Web本文に欄の説明、集計方法、架空の分析例を追加しました。見本画像と販売ファイルは今回改訂していません。販売ファイルの動作は未確認です。

