褥瘡発生予防に関する指針
褥瘡発生予防に関する考え方
高齢者は低栄養状態や活動の低下、疾病に伴う寝たきり状態に陥りやすく、褥瘡が発生するリスクがあります。特に施設を利用しておられる方には、加齢に伴い心身の機能が低下している方が多くおられ、そのリスクは高いと思われます。
私たちは、こうしたリスクをもつ利用者の健康で尊厳ある生活の実現のため、多職種協働のもと質の高いサービスの提供を目指してこの指針に従い、褥瘡発生予防に対する体制を確立し、褥瘡が発生しないような適切な介護を行うことを目指します。
褥瘡発生予防に向けての基本方針
褥瘡発生予防に対する体制の整備
当施設では、褥瘡発生の予防と早期対応のため、褥瘡対策委員会を設置し具体的な対応については委員会で対応します。
多職種協働によるチームケアの推進
多職種の専門性に基づくアプローチからチームケアを行うことを基本とし、それぞれの果たすべき役割に責任をもって対応します。
専門化との連携
外部の褥瘡予防等の専門家とも積極的に連携し、より質の高いケアに取り組みます。
職員に対する教育・研修
褥瘡発生予防に対する知識の習得、施設方針の徹底、情報の伝達等を目的として、研修会等を定期的に実施し、職員の教育に努めます。
褥瘡発生予防に対する体制の整備
褥瘡対策委員会の設置
①設置の目的
利用者の褥瘡発生予防に努め、発生時における苦痛の緩和と早期治療、及
びケア提供を適切に行うことを目的とし、褥瘡対策委員会を設置する。
②褥瘡対策担当者
看護職員
③褥瘡対策委員会の構成
委員長 ○○ ○○
委 員 ○○ ○○
. ○○ ○○
. ○○ ○○
各ユニット看護職員
各ユニット介護職員代表
④褥瘡対策委員会の開催
必要時には随時開催いたします。
⑤褥瘡対策委員会の役割
ア)褥瘡予防、及び発生時に向けた対応の検討
イ)施設サービス計画の作成へ出席、参加
各種、看護計画(診療計画書)介護計画、栄養ケア計画立案
エ)各種マニュアル、様式等の見直し追加
オ)適切な福祉用具の選定
褥瘡発生予防及び治療の対応
褥瘡発生の予防と早期対応のため、以下によって対応します。
①リスクの評価
早期対応を行うため、以下の方法を用いて、褥瘡発生のリスクを評価し、ハイリスク者を抽出します。
評価方法の例
診療計画書、OHスケール、ブレーデンスケール
褥瘡発生予防に関する各職種の役割
各職種の専門性に基づくアプローチから、チームワークを行うことを基本とし、それぞれの果たすべき役割に責任をもって対応します。
(施設長)
1)褥瘡発生予防の総括管理者
(医 師)
- 定期的な診察・処置方法の指示
- 各協力病院との連携を図る
(看護職員)
- 医師または協力病院の連携を図る
- 褥瘡処置への対応
- 褥瘡ケア計画の作成と経過記録の整備
- 個々に応じた体位変換、安楽な座位確保の工夫
- 褥瘡発生予防の計画立案
- 職員への指導
(栄養士)
- 褥瘡の状態把握と栄養管理
- 栄養マネジメントにおける状態の把握と利用者の管理
- 食事摂取低下に伴う栄養保持の工夫
(生活指導員・介護支援専門員)
- 褥瘡ケア計画に基づくチームケア
- 外部の専門機関との連絡調整
- 家族への対応
- 褥瘡発生予防の取り組みと体制作り
(介護職員)
- きめ細やかなケアと衛生管理に努める
- ケア計画に基づく排泄、入浴、清潔保持
- 個々に応じた体位変換と安楽な座位の工夫
- 褥瘡の状態観察と記録の整備把握
- 苦痛を排除する精神的緩和ケアとコミュニケーション
- 褥瘡発生予防の取り組み
専門家との連携
より質の高いケアを目指すため、内部スタッフだけでなく、外部の医療・介護・介護機器等の専門家が積極的に連携し、スキルアップを図ります。
職員に対する教育研修
より質の高いケアを提供するにあたり基礎知識と技術を身につけることを目的として、委員会を中心とした施設内研修会、勉強会を開催するとともに外部研修会への積極的参加を図ります。
- 定期的な教育・研修
- 新任者に対する褥瘡発生予防の教育・研修の実施
- その他必要な教育・研修の実施
褥瘡(床ずれ)発生予防に関する指針 テンプレートダウンロードはこちらへどうぞ。