高医療依存度利用者への援助

医療依存度の高い利用者のケアの実際ー糖尿病マニュアル テンプレート

糖尿病とは 高医療依存度利用者への援助
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医療依存度の高い利用者のケアの実際

糖尿病とは

糖尿病は、インスリン作用の不足によって引き起こされる糖質代謝を主体とするさまざまな代謝異常をきたす疾患群です。

糖尿病になると、ブドウ糖がエネルギーを必要としている細胞の中に運ばれなくなり、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが足りなくなったり、うまく細胞に作用しなくなるために、血中での高血糖やそのほかの代謝異常を引き起こします。

糖尿病の分類と起因

1型糖尿病・・・インスリン依存性・・・遺伝や環境に起因

2型糖尿病・・・インスリン非依存性・・・内臓脂肪の増加、運動不足による肥満が主な起因

主な症状

痛みなどの自覚症状がないため、治療が必要といわれていても治療を受けな
い人が多い傾向にあります。糖尿病の最大の問題は合併症であり、合併症を防
ぐためにも、症状が現れたときにしっかりと治療することが大切です。

のどの渇き、尿量・回数の増加

大量のブドウ糖を排出するため尿量が増えてしまい、体内の水分が失われて、のどが渇くと考えられます。

全身倦怠・易疲労性

インスリンの作用不足でブドウ糖を利用できず、活動エネルギーが足りない状態になるために生じると考えられます。

急激な体重減少

食べているのにやせるのは、食べてもブドウ糖が正常に利用されずに、慢性的なエネルギー不足になるためと考えられます。

これらの症状を放置すると、合併症による症状が現れるようになります。糖尿病腎症、糖尿病網膜症、糖尿病神経障害を3大合併症とよびます(別表参照)が、これらは糖尿病に特有の合併症で、血糖コントロールをしないでいると、糖尿病の発症から10~15年で現れると考えられています。

糖尿病の3大合併症

糖尿病性腎症…尿をつくる腎臓の糸球体の毛細血管が悪くなり、次第に尿が作れなくなります。人工透析になる原因疾病の第1位であり、週に2~3回、病院などで、透析を受けられるので、日常生活に大きな影響を及ぼします。

糖尿病網膜症…糖尿病網膜症になると、目の底にある網膜の血管が悪くなったり、視力が弱まり、なかには失明する場合もあります。

糖尿病神経障害…合併症の中で最も早く出てくるのが糖尿病神経障害。末梢神経障害の足や手の症状はさまざまで、手足のしびれ、けがや火傷の痛みに気づかないこともあります。その他、筋肉の委縮、筋力の低下や胃腸の不調、立ちくらみ、発汗異常など自律神経障害の症状も現れます。

介護上の注意点

糖尿病性腎症

■内服や食事を規則正しく行います
声かけや直接的な援助をし食事量を確認する
食への意欲を喪失させない
献立や味付けの工夫をする

糖尿病網膜症

■視力の程度に合った生活援助をします
物が見えにくいようであれば、見やすくなる工夫をする
視力低下が原因でけがをしないよう生活環境を見直す

糖尿病神経障害

■症状を軽減できるよう対症的な援助をします

○手足のしびれ・冷感・起立性低血圧・排尿障害・便秘・下痢などさまざまな症状に合った対応や援助の仕方を医師や看護師の助言・指導に
従って行います。

○末梢神経の障害で足の感覚が鈍くなるので、フットケアもたいへん重要です。

日々の制限が多く、常につきまとう症状や進行性で失明や透析との予後も想像されることか、気持ちもしずみがちになります。訴えによく耳を傾け受容的に対応し、医師や看護師と協力し、糖尿病や合併症のコントロールが行いやすいように、生活環境を整えるための援助を行うことが大切です。

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