高医療依存度利用者への援助

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ストーマ(人工肛門) 高医療依存度利用者への援助
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医療依存度の高い利用者のケアの実際

ストーマ(人工肛門)とは

ストーマ(人工肛門)とは、肛門が使用できなくなった時に外科的に造設される排泄口のことをいいます。

人工肛門には主に結腸ストーマと回腸ストーマがあり、結腸ストーマとは直腸がんなどで造設されることが多く、回腸ストーマは胃潰瘍性大腸炎などによる大腸全摘出術時に造設されます。ストーマには一時的ストーマと永久ストーマがあり、後者は身体障害者の認定を受けることができます。ストーマは主に下腹部腹壁に造設し、そこに下部腹壁に造設し、そこにパウチとよばれる排出物を貯める袋を取り付けます。人工肛門の場合、便の排泄は自然排便によるものと、微温湯を点滴式にストーマに注入して、洗腸のようにして排便を促すようにして排便を促す強制排便法があります。

ストーマの種類

ストーマ
 結腸ストーマ

■上行結腸ストーマ
■横行結腸ストーマ
■下行結腸ストーマ
■S状結腸ストーマ

 回腸ストーマ

ストーマ使用における基本事項

ストーマからの排泄は明確な便意を伴わず、いわゆる便失禁に近い状態です。
また、外見の変化を受け入れるために、精神的なサポートが場合があります。
パウチの交換などの取り扱いは以下のとおりです。

①パウチには、ストーマ部との接着面である面板と、排泄物をためる袋であ
るストーマ袋があります。

②パウチには面板とストーマ袋が一体となったワンピースタイプと、面板と
ストーマ袋の取り外しができるツーピースタイプがあります。面板には、はがしやすさにも配慮した適度な接着性や、吸湿性と防水性を兼ね備えた特殊な素材が使われます。

③面板の貼り付けは、あらかじめストーマの形とサイズに合わせて中心部を切り抜いた面板を貼り付けますが、皮膚のたるみやしわで接着部に隙間ができないように注意します。面板の取り外しには剥離剤も使用して、粘着成分をきれいに取り除きます。

④入浴はパウチを外した状態でも問題ありませんが、入浴中の排便を避けるため、パウチを付けたまま入浴する場合もあります。このとき、パウチの種類によってはガスフィルター部に防水テープを貼る必要があります。また、ツーピースタイプでは入浴用キャップも使えます。さまざまなストーマ用具があり、使用者の状態や使用状況に応じて選択します。

介護上の注意点

ストーマは、自分の意思とは関係なく排泄物が出るため、専用の装具が必要であり、身体的・精神的ダメージを受けやすく、そのイメージは悪くなりがちです。しかしストーマの仕組みや正しいケアの方法などを知っていれば、今までの生活とほとんど変わりなく過ごすことができます。

皮膚障害を予防します

①刺激の少ない皮膚保護剤や装具を使用します。
②ストーマ周囲にかゆみや湿疹が広がってきたら、医師や看護師に相談します。

スキンケアをきちんと行います

①ストーマ交換時、装具から外すときには、皮膚を清潔にしていねいに行います。
ストーマの周囲は排泄物に接触しやすく、その影響で皮膚障害を起こしやすくなります。びらん(ただれ)、丘疹(小さい発疹)、小さい水疱などが見つかったら、医師や看護師に相談します。

ストーマや排泄物を観察します

①出血や潰瘍(赤く傷になり膿のようなものが出てくる)がないか。
②壊死(真っ黒くなる)はないか。
③浮腫(ストーマが水を含み大きく腫れる)がないか。
④排泄物に血液が混じっていないか
これらに異常があれば、専門的な治療が必要です。早急に医師や看護師に相談します。日頃からストーマの大きさや形、赤み(色)などを観察し、普段と変化がないか、しっかり観察することで異常を早期発見することができます。


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