医療依存度の高い利用者のケアの実際
尿道留置カテーテルとは
尿道カテーテルは、尿路が狭窄・閉鎖して自然排尿ができなくなった場合、または脊髄・脳や自律神経障害のため排尿困難な場合に用いられます。
尿閉が長く続くと、腎後性腎不全という腎機能障害を起こします。この場合、早期に尿道カテーテルを使用することで腎機能の改善が得られます。尿道カテーテルは使用期間が長くなると尿路感染を併発し、感染予防に留意していても、一定期間留置するとほぼ全例で感染を起こすといわれています。
そのため使用にあたっては、適応を慎重に判断すること、留置の必要がなくなった場合には早期に抜去することが重要といわれています。
尿道カテーテル使用時の細菌の主な侵入経路として、尿道口とカテーテルの隙間、尿道カテーテルと排液チューブの接続部、蓄尿バッグの排液口などが挙げられます。このためカテーテル挿入時には尿道口の消毒を確実に行い、普段も尿道口周囲の清潔を保つことが大切です。
接続部からの感染予防の観点から、入浴時は排液チューブの接続を外さない傾向がありますが、蓄尿バッグが膀胱より高い位置にあると尿の逆流を引き起こし、感染のリスクを高めるので注意が必要です。
介護上の注意点
尿の流出状態を常に観察し、蓄尿袋や管に尿が増えているかを確認します
尿が増えていない場合
蓄尿袋、管、連結部のどこかに屈曲・圧迫があり、尿の流れを止めている可能性があります。各箇所を点検します。
尿量の観察をする場合
① 尿の色調(赤くないか、着色していないか)
② 混濁の有無(浮遊物や石が混じっていないか)を観察します。
保清を確実に行います
感染による副睾丸炎の併発を起こしやすくなります。清拭時、陰嚢部の観察を怠らないようにします。
羞恥心に配慮します
蓄尿バッグをカバーで覆うなど、尿がみえることへの羞恥心への配慮が必要です。
管が外れないよう取り扱いに注意します
移乗や移動の時は、車いす・ベッドなどに引っ掛かることがないよう、位置を確認します。管が外れると、シーツなどが汚染されるだけでなく、本人があわててしまい、別の障害を引き起こすことがあるので注意します。
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