介護保険制度と共に施設も「通過施設」と捉えられるようになりましたが、病院と違う点は「生活の場」であり、家での生活と同じように捉えると、やはり「終の棲家」としての意味合いが濃く、人生の最終ステージを自宅で暮らすことと施設で暮らすことは同じように捉えられると思います。
「人は自らの最後をどこで迎えるべきか」という問いに対し、普遍的な答えを用意することは不可能でしょう。また、本人の決定を尊重するといっても、その人が本当に息途絶える瞬間の気持ちは誰にも分かりません。つまり、人の最後の迎え方は千差万別であり、それは本人のそれまでの生き方によって決定されるべきだと考えます。
ターミナルケアの本質は、医療行為(延命的処置)をすべきとか、どこまで望むかではなく、人生の終焉を「どこで」「だれと」「どのように」迎えるかであると考えます。
入所時のお元気な状況の中では、ターミナルケアについて考えることは困難なことではありますが、ご家族の方々の考え方を尊重し、介護援助を行う必要があると考えます。
施設での終末期とは、全身状態が著しく衰弱し、格別の治療方針を立てることもなく、死を迎えるほかない状態を言います。
終末期と考えるためにはある疾病が発症して、それが原因で著しく衰弱をきたす場合と、特にこれといった症状もないのに食欲がなくなり急速に衰弱が現れる場合とがあります。
もちろん、後者の場合、高度な医療を受ければ病名が明瞭になることもありますが、高齢者の場合、特に、90歳を超えるような年齢になると、そこまでの検査を受けるかどうかはケース・バイ・ケースです。
施設に入所中といえども、勿論、治療対象の病気は外来あるいは入院で治療します。しかし、これといった病名も付かず、たとえば、病名が明らかになったとしても治療の見込みが立たない場合は、終末期となります。終末期であっても疼痛があったり、本人の強い希望があったり、家族の要請があったりした場合には入院となるケースがあります。逆に、本人が治療と入院を断って、家族も特に入院治療を希望しない場合には施設内で死を迎えることになり、ターミナルの開始となります。
ここではターミナルケアにおける援助の実際、必要となる資料等をまとめてみました。
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