さて、2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になります。30~50歳の子どもたちが直面する「親の介護」問題は、深刻化していく一方です。
後期高齢者が増えるということは、介護を必要とする人の数も増えるということです。
まず、日本は、他の先進国と比べて、高齢化のスピードの速さが違います。
高齢化社会(高齢化率7%超)から高齢社会(高齢化率14%超)へ到達した年数が、
フランス・・・115年
スウェーデン・・・85年
イギリス・・・47年
ドイツ・・・40年
これらと比べて、日本は24年と短いのです。
そして、日本は、2007年には超高齢化社会(高齢化率21%超)へと突入し、2020年には高齢化率28.7%に増えているのです。
こうした人口構造に対応した社会システムが機能していないことも問題ですが、平均寿命も長くなり、長寿化が後期高齢者を増やし、今後、ますます後期高齢者が増加すると推測される中、日本では、介護へのニーズがますます高まる一方、介護職員の不足が大きな問題になっています。
要介護者が増え、2025年度には、実に38万人もの介護職員が足りなくなると推測されています。
その原因として、実際の現場では、「職場の人間関係」が大きな問題になっているのだと思います。
また、「利用者の立場に立った介護ができると思ったのに、実際はそうではなかった」など「法人の理念のあり方に不満があった」という場合もあります。
介護の仕事は体力勝負であることは勿論ですが、利用者への気配りや目配りをしなければならないうえ、専門的な知識や技術も求められます。
仕事内容も看取り、口腔ケア、服薬やリハビリ支援など多岐にわたり、その一つひとつをこなしていくだけで大変な労力になります。
日々、排泄介助、食事の介助、入浴介助など分刻みのスケジュールに追われ、施設などで働く介護職員には夜勤もあります。
さらに転倒事故や誤嚥など、常に危険と隣り合わせの仕事で、気を抜くことが出来ません。
そのうえで利用者様一人ひとりに寄り添った介護を行わなければならないのです。
少ない人数で限られた時間の中、より多くの利用者に対応するためには、どうしてもスピードや効率を優先せざるを得ない場面も多くあります。
介護に携わる人の多くが利用者との十分な対応をしたいが、事務作業も多く、今の状況ではどうすることもできないというジレンマを抱えているはずです。
介護職員の辞めたい理由である人間関係を改善し、長く働く環境を作るためにはどうしたらよいのでしょうか?