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グループホーム入所事例 色ボケ

色ボケ えっちゃんのブログ
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毎月、松浦昭三さん(仮名:92歳)みつゑさん(仮名:88歳)夫婦は日にちをずらしてショートステイ(短期入所生活介護)の予約が入ります。
夫である昭三さんは、月の前半をショートステイ、後半をデイサービス(通所介護)を利用し、妻のみつゑさんは、昭三さんと入れ替わりに、前半をデイサービス、後半はショートステイを利用します。

これは、夫婦で一緒で過ごす時間を無くすためでした。

昭三さん夫妻は、長男 純一さん(仮名)、その嫁 由美子さん(仮名)の4人暮らし。孫も同居していたが、大学進学と同時に家を出て自立していました。

昭三さんとみつゑさんに認知症の症状を認めたのは15年くらい前。それまでは本当に仲の良い夫婦だったといいます。
長男は会社役員、長男の嫁である由美子さんはパートに出ていたが、仕事を辞め、介護に専念することになったそうです。

家事を協力していた義母が、ガスコンロの火の消し忘れや、玄関の施錠を忘れるなどの記憶障害が出現し、炊事など、今まで出来ていたことが徐々に出来なくなり、炊事場に立っても何をすべきか分からなくなってきたと言います。

おばあちゃんの痴ほう

その後も徐々に、汚染した下着を箪笥の中にしまったり、食べ残しをそのままポケットにしまうなど、徐々に認知症は進行していきました。その後も徘徊の症状が出てからは、一緒に散歩に出かけるなどみつゑさんの行動に寄り添いながら介護していたといいます。

昭三さんは、みつゑさんに比べると認知症の進行は遅かったが、毎朝の日課にしていた新聞を開くことも無くなり、盆栽いじりもやらなくなり、一日中、ボーっとして過ごす日もあれば、家の中でそわそわし始め、理由もなく部屋中を動き回ることもあったといいます。

由美子さんは、認知症専門医を受診しアドバイスを受け、デイサービスを最大限利用し、出来る限り在宅で生活できるよう援助に努めていたそうです。
夜間は、昭三さんの世話を長男の純一さんが、みつゑさんを嫁の由美子さんが看るようにして過ごしていたとのこと。

ある晩のこと、由美子さんが入浴していると、昭三さんが浴室に入ってきたのです。
最初は、間違えたのかと思っていたが、その後も、何度も浴室をのぞき込むようになったそうです。

のぞき見するおじいちゃん

その頃から、昭三さんは、執拗にみつゑさんの体を触るようになり、みつゑさんは昭三さんから逃げ回るようになったといいます。
みつゑさんは、昭三さんを毛嫌いして不穏になることが多くなり、昭三さんの顔を見ても夫だと認識できなくなり、他人が自分の家にいると大声をあげたり泣きわめくようになったそうです。

昭三さんの異常行動は止まることなく、居間で過ごしている時に、突然下着を下げて、由美子さんの前で自〇行為を始めてしまう状況が何度も見受けられるようになってきたのでした。
さすがの由美子さんも耐えられなくなり、夫に相談し、昭三さんだけでも入所できる施設探しを始めたが、直ぐに入所できる施設はなく、ショートステイとデイサービスを交互に利用し、昭三さんが自宅にいるときは純一さんが昭三さんの世話をすることにしたのでした。

昭三さんの自〇行為は、ショート利用中の皆が集まるホールでも見受けられ、食事の後やレクリエーションの後など利用者が多く集まる中で頻回に行うようになったのです。
それだけではなく、下着を下した状態で特別養護老人ホームの利用者さんや女性職員の体を触るなどの行為も頻繁に見受けられました。

数か月後、昭三さんはグループホーム(認知症対応型老人共同生活援助施設)への入所が決まりました。
みつゑさんは昭三さんから離れたことにより、以前より穏やかになったといいます。

二人とも特別養護老人ホームの申請をして、空きを待っている状態でしたが、昭三さんは要介護度Ⅲには認定され無いため、しばらくグループホームでの生活が続きそうです。

仕方がないことではありますが、このような症例の場合、他の利用者さんに危害を加えないように見守りを強化したり、話し相手になる時間をたくさん取ることや昭三さんの若い頃の趣味などを生かした活動に気持ちをもっていかせるしか方法がないように思います。

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