事故再発防止対策マニュアル
事故報告書作成
事故発見者or副主任orサブリーダー
〔事故報告書に記載が欲しいもの〕
◎事実経過 | ◎対応経過 |
・介護計画と実施状況 ・施設運営の方針と説明 ・事故の情報把握と対応 ・事故発生状況 ・事後の情報把握と対応 |
・家族への説明 ・ご要望への対応 |
〔事故報告書作成時の一般的な注意点〕
◎文書構成に関する注意点 | ◎用語などに関する注意点 |
・主語・述語に矛盾点は無いか ・5W1Hが明確か ・時間軸が一貫しているか |
・「です・ます調」と「だ・である調」の統一 ・誤字脱字はないか ・数字・数値などの間違いはないか ・抽象的な表現を使用していないか |
◎分かりやすくする工夫など | |
・「要点」を最初に持ってくる ・項目によって箇条書きで整理 ・図表の活用 |
事故原因調査
発見者・各部署責任者・委員会委員
事故要因分析
各部署の副主任or主任
〔要因分析のポイント〕
◎分析担当
リスクマネジメント委員(主任)⇒リスクマネジメント委員会へ提出
事故報告書をもとに各主任が分析を行い、再発防止策(案)を作成する
◎分析の目的
事故を減らすための対策を立てること
→統計データを取ることが目的ではない
→単なる集計では対策に繋がらない
◎分析にあたって
質の良い報告を深く掘り下げて分析すれば、たとえ件数が少なくても対策につながり易い
〔要因分析に必要な視点〕
◎要因分析は必ず視点を分ける
視点を分けることによって
→漠然としていた要因が具体的に見えてくる
→問題点を明らかに出来る
→対策が立て易くなる
◎要因分析の視点
利用者 | ADL状況、心身の状況(普段の状態と事故時の状態)、意思・感情等 |
ケアマネジメント | 内容と実施状況(介護計画が立案され、また計画通りに実施されていたか) |
職 員 | 経験・知識、技量(得手、不得手業務)、健康状況(身体・心理)、縦横の関係 |
機 器 | 強度、機能、配置、品質、適合性 |
環 境 | 設備、照明、空調、サービス手順、労働条件 |
管 理 | 人員配置、規定、規則、マニュアル、教育・訓練、記録管理、緊急時管理 |
◎問題点の絞り込み
(その1) 《事故発生までのプロセス》
再発防止策案作成
各委員リスクマネジメント
再発防止策策定
マニュアル等改定
〔業務手順書の確立〕
◎サービスの質の向上に個人の技量や努力に頼って漠然と取り組んでもなかなか結果は得られない。
◎まずは普段の業務のやり方を改善していくことから始める
→「やり方」を改善することが簡単・効果的
◎そのためには組織的な業務を改善していく体制や取り組みが必要
→そのような組織的な取り組み手法が「マネジメントシステム」
《まずは「やり方」を決めて文書化》
⇩
◎基本となる業務手順を決める →うっかりミス・抜け漏れミスを防止する →「決める」ことで「ばらつき」をなくす →業務の効率化を図る |
◎決めたことを文書化する →「形」で残さなければ、決めたことにならない →改善を図るときのベースとなる →職員全員で必要な知識・ノウハウを共有化できる →組織的なチームプレーが出来る |
⇒これらがいわゆるマニュアルとなる
〔マニュアルについて〕
◎策定した安全対策はマニュアルに反映させ、情報共有化を図る
◎事故予防に関するマニュアルの有無は、安全確保に向けた取り組みが十分に行われていたか第三者が判断するうえの重要な要素
・マニュアルは、業務の「設計書」であると関係者に理解させる
・「設計書」は守らなくてはならない
・「設計書」は、わかりやすいものでなければ守れない
・個別サービスマニュアルに、安全対策・事故防止策の視点を盛り込む
・マニュアルは生き物
→使わなければ直ぐに廃れる
→時間が経てばいずれ陳腐化する
→定期的に見直しを行い、育てていくこと
〔マニュアル改善に必要な視点〕
◎「マニュアルを守らない」「ルール違反」は職員個人の問題か??
・正しいルールを教えていなくて、「ルール違反」とはいえない
・ルールの理由や根拠を教えていなくて、「ルール違反」とはいえない
・現場に実態にそぐわないルールを設定しておいて、「ルール違反」とはいえない
ルールを適切に評価・改善することが不可欠
⇒そのためには、現場職員の声を集めること
⇒そのためには、現場職員から声が上がってくること(ボトムアップ)
〔マニュアルの周知徹底および検証・見直し〕
①職場への周知徹底例
・リスクマネジャーを講師とした職場勉強会の実施
・計画的な自己学習の推進
・新入職員研修や管理職研修プログラムへの組み込み
・定期的な理解度テストの実施
②検証・見直し
多面的な視点からの検証
→マニュアルへの書き込みと集約
→各職員に対するアンケート・ヒヤリング
→利用者・家族との意見交換
〔主任に求められる視点〕
効果的対策の検討 ~8つの要件~
・ 的中性:原因に焦点があっている対策か ・ 確実性:確実に再発防止に効果があると考えられるか ・ 永続性:一時的な対策でなくいつまでも有効であるか ・ 具体性:抽象論ではなく具体的な内容になっているか ・ 実施可能性:内容、所要時間、タイミング、仕事量など実践可能か ・ 普及性:他のグループ・組織にも浸透させることが可能か ・ 整合性:実施内容が規則やポリシーに整合しているか ・ 経済性:費用、マンパワー、機材など経済的に見合うか |
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